高齢者によくみられる症状や病気(9):フレイル
みなさま、「フレイル」という言葉を聞いたことがありますか?
フレイルとは加齢とともに心身の活力が低下していき、このままでは要介護状態になってしまうという状態のことであり、生理的な加齢変化と要介護状態の中間の状態のことをいいます。
一般的に一度要介護状態になってしまえば、後は段々と介護度が高くなっていくものですが、このフレイルの段階で適切な治療や支援の介入があれば、要介護状態にならずに健康な状態へと回復することが期待できます。
フレイルになると…
フレイルはもともと英語のFrailty(虚弱)という言葉からきています。
主な症状としては
①体重が減ってくる
②すぐに息切れがする
③疲れやすく、なにかと面倒になる
などがあります。
フレイルは身体だけの問題ではなく、心(メンタル)、社会の問題といった様々な要素が絡んでいます。
ちなみに、次の5つの質問のうち、当てはまる項目がいくつありますか?
①6か月間で2~3kg以上の体重減少がありましたか?
②以前に比べて歩く速度が遅くなりましたか?
③ウォーキングなどの運動を週1度以上していないですか?
④5分前のことを思い出せないことが多いですか?
⑤ここ2週間、わけもなく疲れたと感じますか?
5項目のうち、3つ以上の項目が当てはまるようでしたら、フレイルです。
当てはまる項目が1つか2つであればフレイル予備軍となります(Yamada M, Arai H.: Predictive Value of Frailty Scores for Healthy Life Expectancy in Community-Dwelling Older Japanese Adults. J Am Med Dir Assoc. 2015より引用)。
フレイルに関しては各区市町村で予防や支援の取り組みを行っていることが多いので、気になった方は是非、行政の窓口で相談してみるといいと思います。
「フレイルの時にどのようなケア、支援を受けたのか」によって、その後の介護人生に大きく影響を与えることと思います。