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高齢者によくみられる症状や病気

高齢者によくみられる症状や病気(6):尿失禁


みなさま、こんにちは。今日のタイトルは「尿失禁」です。

尿失禁とは、おしっこが漏れてしまうことをいいます。あまり馴染みがない人もいるかと思いますが、「尿が漏れてしまうなんて恥ずかしい」と思って外来を受診しない人も多いので、実際には思った以上に尿失禁を経験している人が大勢いることが予想されます。

尿失禁の分類

尿失禁は大きく分けて以下の4つに分類されます。

1. 腹圧(ふくあつ)性尿失禁
2. 切迫(せっぱく)性尿失禁
3. 溢流(いつりゅう)性尿失禁
4. 機能(きのう)性尿失禁

4つの分類を1つ1つ簡単に説明させていただきます。

1.腹圧性尿失禁

お腹に力が入るとおしっこが漏れてしまうことをいいます。加齢とともに尿道の括約筋の締まりが悪くなってくると、くしゃみをした時や重たい物を持った時に尿が漏れやすくなります。特に尿道の長さが男性と比べて短い女性に多い傾向があります。出産によって骨盤の筋肉が緩むことで、出産後に尿が漏れるようになる場合も多いです。

2.切迫性尿失禁

急におしっこにいきたくなって、トイレに間に合わず尿が漏れてしまうことをいいます。本来、排尿は自分自身でコントロールできますが、脳の障害などで自分の意思に反して膀胱が収縮してしまい切迫性尿失禁となる場合があります。また、原因がよく分からないまま膀胱が収縮して尿が漏れてしまうこともあります。

3.溢流性尿失禁

尿が膀胱内にいっぱい溜まっているにもかかわらず尿を出すことが出来ず、少しずつ尿が漏れてしまうことをいいます。「おしっこがしたい」という尿意がある場合もありますが、尿がいっぱい溜まっているにもかかわらず「おしっこがしたい」と感じない場合もありますので注意が必要です。前立腺肥大症で尿を出せなくなった時、膀胱の神経が障害された時などに溢流性尿失禁がみられます。

4.機能性尿失禁

排尿の機能自体に問題がなくても、寝たきりの状態でトイレに間に合わなかったり、認知症でおしっこの仕方が分からなくなったりして尿を漏らしてしまうことを機能性尿失禁といいます。

以上、尿失禁といっても原因は様々です。放置していても問題ない場合もありますが、命にかかわるような病気が原因となって尿失禁をきたしていることもあります。お困りの際は、一度専門医に相談してみてください。


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