高齢者によくみられる症状や病気(1):夜間頻尿
みなさま、こんにちは。
「高齢者によくみられる症状や病気」に関して、定期的にブログを書いてまいります。
今日の話題は「夜間頻尿」です。
夜間頻尿とは?
まず「頻尿」とは、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の時に「頻尿」と言います。
それに対し、「夜間頻尿」とは、夜間、排尿のために1回以上起きなければならないことを言います。つまり、1回でも寝ている間に御手洗いに起きてしまうと夜間頻尿と言います。
高齢になってくると、誰でも夜に御手洗いで目が覚めてしまう経験があるのではないでしょうか。私もお酒を飲んで寝た日は夜中に2度3度と起きてしまいます。
男性であれば「夜間頻尿」と聞いて「前立腺肥大症」をイメージする方が多いかも知れませんが、実は私の外来に夜間頻尿を主訴に来院された患者さんで実際に前立腺肥大症が原因であった方は半数以下です。
それでは、どのような原因が考えられるのでしょうか?
夜間頻尿の分類
大きく分けて
1. 夜間多尿
2. 膀胱容量の減少
3. 睡眠障害
の3つに分類されます。
1. 「夜間多尿」とは尿が夜中に沢山つくられることを言います。原因は様々ですが、例えば高血圧の患者さんは夜に尿が多くつくられる傾向にあります。また、糖尿病の患者さんは喉が渇くことで水分を多く摂取してしまう傾向があります。夜間多尿には内科的疾患が関与していることがよくあります。
2. 「膀胱容量の減少」とは膀胱に尿を沢山ためられなくなることを言います。膀胱が過敏になってしまうことが原因ですが、代表的な病気としては前立腺肥大、過活動膀胱、間質性膀胱炎などがあります。
3. 「睡眠障害」は特に高齢になってくると目が覚めやすくなり、結果、目が覚めた時に排尿が気になり御手洗いに行くことが増えてまいります。
いかかでしたでしょうか?
夜間頻尿と言っても多くの原因が考えられます。原因に応じて対応は変わってくるので、夜間頻尿でお困りの時は先ずは泌尿器科あるいは総合診療内科で相談されるのがよいと思います。