高齢者によくみられる症状や病気(11):ロコモティブシンドローム
今回は「ロコモティブシンドローム」、通称「ロコモ」について解説したいと思います。
ロコモティブシンドロームを英語で表記すると‘locomotive syndrome’となります。‘locomotive’は「移動するための能力」を意味し、‘syndrome’は「症候群」を意味します。
つまり、ロコモティブシンドロームになると移動機能が低下してきます。具体的には骨、関節、筋肉、神経などの運動器が障害をきたし、介護状態となるリスクが高くなっていることを意味します。
ロコモティブシンドロームの原因
骨、関節、筋肉、神経などの運動器の病気による身体機能の低下が原因となります。主な病気としては骨折、骨粗鬆症、変形性関節症、脊柱管狭窄症、サルコペニアなどが挙げられます。
また、病気でなくても加齢変化に応じて身体機能は衰えてきますので、注意が必要です。
ロコモティブシンドロームのチェック
ロコモティブシンドロームになっているかをチェックする簡単な方法が日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトに「ロコチェック」として掲載されているので、ご紹介します。
1. 片脚立ちで靴下がはけない
2. 家の中でつまずいたりすべったりする
3. 階段を上がるのに手すりが必要である
4. 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
5. 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
6. 15分くらい続けて歩くことができない
7. 横断歩道を青信号で渡りきれない
上記のうち、1つでも当てはまるものがあればロコモティブシンドロームの可能性があります。
(出典:日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト https://locomo-joa.jp/check/lococheck/)
いかがでしたでしょうか。上記の質問のうち1つでも当てはまった方は注意が必要です。
ロコモティブシンドロームの予防のためには
① 食生活に気をつける
② 運動を取り入れる
ことが大切です。
栄養バランスを考え、骨を丈夫にして、筋力を増やすような食事を検討しましょう。また、運動も思い立った時だけするのではなく、習慣として身に付けるように心がけましょう。
食事も運動も自己流で行うと身体に良くない方向に作用する恐れがありますので、是非、専門の方々のアドバイスを受けるようにしてください。