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株式会社 One to One 福祉教育学院

認知症の両親との同居生活体験記

認知症の両親との同居生活体験記(4):認知症の症状とは?②周辺症状(BPSD)


認知症とのかかわり方について、自分自身の「認知症の両親との同居生活体験記」を交えながらブログを書いてまいります。

認知症の症状とは?②周辺症状(BPSD)

前回、認知症の症状は大きく分けて

(1) 中核症状
(2) 周辺症状

の2つがあることを紹介し、「中核症状」について詳しく説明させていただきました。

中核症状とは、脳細胞が壊れ、その細胞が担っていた機能が失われたために生じる症状、つまり必ず認められる認知機能の障害でしたね。

「さっき聞いたことを思い出せない」「時間、季節、場所などの感覚が分からなくなる」「考えるスピードが遅くなる」といった症状が中核症状です。

今回は周辺症状について説明させていただきます。

周辺症状は英語で表記するとBehavioral and Psychological Symptons of Dementiaとなりますので、略してBPSDと呼ばれています。

周辺症状は、その人の性格、育った環境、人間関係などの要因が相互に作用し、影響を受けることで起こる行動障害や心理症状です。つまり、個人差がある症状です。

周辺症状のうち主に行動面であらわれるものとして

・暴言、暴力
・徘徊
・多弁、多動
・失禁
・介護拒否
・昼夜逆転
・異食
・弄便

などが挙げられます。

「異食」とは食べ物ではない物を口に入れてしまう行為です。
「弄便」とは便を直接、手で触ったり、衣類や壁にこすり付けるような行為をいいます。

周辺症状のうち主に心理面であらわれるものとして

・不安、焦り
・抑うつ
・幻覚、妄想

などが挙げられます。

以上、周辺症状には様々な症状が含まれていることをご理解いただけたと思います。

大切なことは、「認知症の人は悪気があって周辺症状を出しているのではない」ということです。

認知症の人であっても、「相手を尊重する」という変わらぬ姿勢で接していただきたいと思います。


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