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株式会社 One to One 福祉教育学院

認知症の両親との同居生活体験記

認知症の両親との同居生活体験記(1):認知症とのかかわり方について


認知症とのかかわり方について、自分自身の「認知症の両親との同居生活体験記」を交えながらブログを書いてまいります。

認知症とは?

認知症という言葉はよく耳にすると思います。

しかし、「認知症とはどんな病気?」と質問されたとしたら答えに困る人が少なくないと思います。

認知症とは1つの原因で起きる病気ではなく、様々な原因によって認知機能が低下し、結果、日常生活に支障をきたす‘状態’を言います。つまり、認知症とは様々な原因で起きる‘症状のあつまり’を表しております。

加齢による‘もの忘れ’と認知症による‘もの忘れ’を見分けるポイントとは?

私も最近、物忘れが多くなってきました。頭の中に映像は浮かんでも言葉が出てこないで、「アレ」「ソレ」とよく言っていることがあります。それでは、どこまでが加齢による物忘れなのでしょうか?加齢による物忘れと認知症による物忘れとの見分けるポイントを3つご紹介いたします。

1. 経験した内容を部分的に忘れるのが「加齢による物忘れ」、経験した内容自体をごっそり忘れるのが「認知症による物忘れ」
例)
加齢による物忘れ:「今朝、朝食は何を食べたっけ?」
認知症による物忘れ:「今朝、朝食をとっていない。どうして朝食を出してくれないのかしら…」

2. 忘れたことを自覚しているのが「加齢による物忘れ」、忘れたことを自覚していないのが「認知症による物忘れ」
例)
加齢による物忘れ:「ごめんなさい! 昨日、16時に会う約束を忘れてました!」
認知症による物忘れ:「昨日、会う約束なんかしていませんよ」

3. 紛失したものを自ら探して見つけようとするのが「加齢による物忘れ」、紛失したのは誰かが盗ったなど他人のせいにするのが「認知症による物忘れ」

以上、代表的な見分けるポイントを挙げましたので参考にしてください。

認知症の生活体験記(1)

私の母は加齢による物忘れが多く、リビングからキッチンへ来たのは良いのですが、よく「あれ?今、何しにキッチンに来たのだっけ?」と言っておりました。最初は自分が「忘れている」ことに自覚がありました。洗濯機の中に洗濯物を入れたままであったり、洗濯物をベランダに干したまま忘れてしまったり、そういった物忘れが積み重なってまいりました。

「自分が物事を忘れ去っていく、記憶が消えていく。これから自分はどうなってしまうのだろう」と母は時より不安を言葉に出しておりました。私は「大丈夫だよ」と気軽に母に返事をしておりましたが、当時、母は「記憶が失われていく」ことに対してどれだけ不安で、どれほどの恐怖と葛藤をしていたのか、そのことに気付いてあげることも出来なければ母の心に寄り添ってあげることも出来ませんでした。

認知症の家族を抱えた家族も不安で辛い思いをすると思いますが、私の何百倍も苦しんでいたのは当事者の母自身でありました。もっと母のために時間をとって一緒にいてあげることが出来ていれば… とよく思い返されます。


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