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認知症の両親との同居生活体験記

認知症の両親との同居生活体験記(12):認知症と区別すべきもの②


認知症とのかかわり方について、自分自身の「認知症の両親との同居生活体験記」を交えながらブログを書いてまいります。

認知症の両親との同居生活体験記(12)認知症と区別すべきもの②

今回は認知症とうつ病の違いについて皆様と一緒に考えてみたいと思います。

うつ病とは?

うつ病になると「悲観的になる」、「何をしてもやる気がでない」、「食欲がなくなる」、「夜、眠れない」といった症状がでます。もちろん、うつ病でなくても私達は時には悲観的になり、時にはやる気がでなかったり、食欲をなくしたりします。健康な人はうつのような症状が出たとしても日常生活に支障をきたすことはありませんが、うつ病の人は明らかに日常生活に支障をきたします。

うつ病になる原因はさまざまですが、とても辛い出来事を経験したり、大切な人との離別など環境変化が積み重なることでうつ病を発症することが多いように思います。

認知症とうつ病はどう違うのか?

以前のブログ「認知症の両親との同居生活体験記(4):認知症の症状とは?②周辺症状(BPSD)」で認知症の周辺症状というのを取り上げましたが、認知症にもうつ状態(抑うつ)があります。そして、認知症もうつ病と同じく、日常生活に支障をきたします。

認知症のうつ状態とうつ病の違いのポイントは、認知症では関心が無くなってくる傾向にありますが、うつ病では悲観的になってくる傾向にあります。

認知症の初期には本人が自分自身の異常に気付いており、「この先、自分はどうなってしまうのだろうか・・」という不安、焦りが増してうつ状態になっていく傾向にありますが、認知症が進むにつれて意欲低下から無関心になっていくことが多いです。

認知症とうつ病の大まかな違いを表にまとめてみました。

認知症 うつ病
発症過程 徐々に進行するので、いつから発症したのか分かりづらい 環境変化などのストレスが重なって発症し、本人も周囲の人も気づく
症状 意欲低下、無関心 悲観的、自分を責める
もの忘れ 忘れている事自体を忘れている 忘れている事を自覚している

認知症とうつ病を見分けるのは簡単ではありません。さらに、うつ病の方が認知症になったり、認知症の方がうつ病になったりすることもるため、「この人は認知症になったにちがいない」、「あの人はうつ病にちがいない」とすぐに決めつけないで専門科の意見を聞くことを是非、心がけてください。


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